スロットユーザーなら多かれ少なかれ目にしたことがあるであろう「機械割」という用語。
しかし、機械割の意味を詳しく知っている人はかなり限られるのではないでしょうか。
何となくどんなものかは分かっているという人、たまに見かけるけど意味は知らないという人など、良く見かける言葉である反面、その理解度は人それぞれではないでしょうか。
今回はそんな「機械割」というものがどのようなものかを詳しく説明して行きます。
機械割の意味
スロットのスペックを記した表なんかで良く見かける「機械割」ですが、簡潔に説明すると以下のようになります。
投入枚数に対して何%払出しを受けられるかを表しており、機械割110%の台は投入枚数に対して110%の払出しを受けられるという事になる。
計算方法は、『「払出枚数」÷「投入枚数」×100』となり、機械割〇〇〇%といったように表記する。
例:投入枚数15000枚に対して16000枚の払出が期待できる台の性能は『16500÷15000×100』=110%となる。
要するに、期待値プラスの台があった場合、その台がどの程度のプラス(期待収支)を得られるかを数値で表したものですね。
機械割110%の台というのはつまり、1G(3枚掛け)を消化するごとに(期待値的には)3.3枚の払出しが期待できるという事になります(3枚投入で3.3枚の払出なので、1Gあたり0.3枚のプラス)。
ここで言う投入枚数には通常ゲームの消化に使うメダル(一般的には1Gあたり3枚掛け)はもちろん、ボーナス中の投入枚数も含まれており、払出枚数にはボーナス中の払出枚数はもちろん、通常時の小役による払出枚数も含まれています。
機械割の数値を見れば、その台のその設定がどの程度の金額をプラスに出来る台なのかが分かるという寸法です。
特定の稼働内容における期待収支を導き出す上で必要なのは、「機械割」と「稼働ゲーム数(投入枚数)」です。
この二つが分かれば、その稼働内容で得られる期待収支がいくらかを算出する事が可能となります。
例えば、機械割110%の台を10000G(投入枚数30000枚)分消化したとします。
その場合の期待収支は、30000枚投入に対して110%の払出しを受けられるので、払出枚数33000枚-投入枚数30000枚=+3000枚という事になります。
こういった計算をする場合、一々投入枚数と払出枚数を計算して引き算して…というのは面倒なので、機械割110%ならプラスとなる10%分をダイレクトに計算してしまうのがお勧めです。
つまり、投入枚数30000枚でプラスになるのは10%分なので、30000×0.1=3000枚という事になります。
機械割の類語(出玉率、PAYOUT)
スロットの出玉性能を表す言葉として機械割という用語以外にも、出玉率やPAYOUTという用語が使われる事があります。
これらは一体何が違うのでしょうか。
結論から言えば、機械割、出玉率、PAYOUT、このどれもが同じ事を指しています。
つまり、スロットの出玉性能の表現として使われている分においては、機械割=出玉率=PAYOUTと思ってもらって大丈夫です。
本来は出玉率が正しい
スロットにおいては機械割という表記が極めて一般的になっていますが、実はこの表現はスロット攻略雑誌が定着させたもので、ホール側ではあまり使われていなかった言葉なのです。
出「玉」率と言うぐらいですから、元々はパチンコで使われていた表現なのだと思いますが、それがスロットでも使われているのがホール側では一般的な事でした(今でも基本的にはそうでしょう)。
しかし用語のキャッチ―さなどから、「機械割」という用語が雑誌などで使われ始め、それがユーザーの間にも広く普及した結果、ユーザーの間では出玉率という用語よりも機械割という用語のほうがより一般的なものとなっていったのだろうと思います。
PAYOUTはマガジン用語?
PAYOUTという表記で思い当たるのはパチスロ攻略マガジン(通称スロマガ)です。
スロマガでは機械割の事をPAYOUTと表記するのが慣例となっており、スロマガ系の情報を多く目にしている人にとっては、機械割という用語よりもPAYOUTの方がなじみ深い場合もあるのではないでしょうか。
意味するところは機械割や出玉率と同じです。
機械割と割数の違い
用語的に少々似ているので、文脈次第では機械割と混同しかねない用語として、「割数」というものがあります。
割数について詳しく説明してもスロットの勝ち方には繋がらないので省略しますが、ホール側の人間がいうところの割数というのは基本的に機械割の事ではなく、「営業割数」や「閉店割数」といった店側から見たホールの収支状況を把握するための数値の事です。
一般的にスロッターは機械割の事を「割(わり)」と省略して表現しがちであり、そういった前提知識がある上で「割数」という用語を聞くと両者を混同してしまう可能性が高いのではないかと思いますので、両者が別物である点はご注意下さい。
例:ホール店長が「今日は9割営業だった」と言った場合、ホール内に設置されている台の機械割平均が90%だったという意味ではない。
機械割の高い台を狙うべき?
機械割というのがその台がどれだけ勝てる台であるかの指標である事はお分かりいただけたと思います。
となるとやはり、出来るだけ機械割が高い台を打ちたいという事になりますよね?
たしかに理想としては、出来るだけ機械割の高い台を数多く打つことが、最もプラス収支を積み上げる意味で最高の状況でしょう。
しかし、言うまでもなくホールも利益を出さなければいけませんから、高い機械割の台というのはそう簡単には使えません。
さらに言えば、高い機械割の台が打ちたいというのは、理路整然とした勝ち方を実践している打ち手であれば誰しもが思う事、それ故に当然競争率もそれ相応に高くなります。
つまり、圧倒的に少ないパイを大人数で奪い合う状況が発生しやすいのです。
そうなると、当然パイを手に出来ない事も増えて、結果的に得られるプラス収支も減る…そんな状況にもなりやすい事でしょう。
では逆に機械割の低い、一応はプラス期待値だけれどもその程度じゃ…と思われがちな台の場合はどうでしょう。
ホール側としても大幅な赤字リスクを負わずにすむので、高い機械割の台(設定)に比べれば随分と気軽に使えるでしょう。
また競争率に関しても、旨味の薄い機械割であればあるほど競争率は下がって行きますから、場合によっては常に自分がプラス期待値の台を打てるような状況も現実的にあり得るでしょう。
このように、機械割の高さとその台を自分が掴める可能性は相反する関係性にあるため、常に最高の機械割を誇る台(その設定)を目指す事が正解とも言い難いのです。
先ほども言ったように理想としては、「高機械割の台を沢山稼働する」のが最高の状態ですが、そこを起点として、得られる期待値を最大にするためには「その台で得られる機械割(期待値)」と「その台を掴める可能性」のバランスを見極める事が、高設定狙いでは必要となって来るでしょう。
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